クラメリウスの『ヨゼフの書』
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本書はチェコ民族復興運動の最初期の1784年に、V.マチェイ・クラメリウスによって出版された、啓蒙専制君主のヨーゼフ2世(1741~90年)の、諸改革(農奴制の廃止、修道院の解散、信教の自由、検問の緩和など)について述べたもので、まさにこの改革がチェコの民族復興運動の発火点となっている。
チェコでは三十年戦争(1618~48年)後、農奴制が強化されて150年が経ち、代を重ねた農民たちはそれが当たり前のような社会になっていたが、その中で本書はヨーゼフ2世による改革の意義を説き、どの様な自由が民衆に与えられたのかを、広く伝えるものであった。またこれは、政治・社会の激変期に民衆が最も必要としていた情報を、慣れ親しんだ聖書のスタイルで提供したため、当時のチェコ語読者の間で広く読まれてベストセラーになり、クラメリウスの出版界での出世作となった。そして彼はこれを足掛かりに民族復興初期の、代表的な文化的組織者となっていく。
本書はツィッテのドイツ語の『ヨゼフの本』を基に、クラメリウスがチェコ語で自由に翻案したものだが、歴史的、文化史的に非常に重要な資料であり、また訳者は語学的にも、再生し始めたチェコ文章語(書き言葉)がどの様なものであったかに関心があったので、Googleを使った翻訳を試みた。